業界よもやま話

Short story

  • 2016年10月15日

開発段階の話③-フェーズ3って、なあに?

Print 第三相(フェーズ・スリー)は、第二相試験の結果、明らかになった最適な用量を患者さまに使っていただき、すでに使われている既存の薬(ときには再度プラセボ)とより大規模に比較する段階です。

 さらに、高血圧や糖尿病や高脂血症の薬のように何年にもわたって使われる薬の場合は、長期間使ってみて、長い服用の期間に、効かなくなったり、新しい副作用がでてくることがあるのかないのか確かめるため長期投与試験を実施します。

 また、これまでは、同じ疾患の患者さまでも、ある条件が異なるために治験の対象にしなかった患者さまを対象にする新たな治験を行って、承認申請に備えて、各種条件の患者さまにおけるデータを収集します。

 

 腎臓から排泄される治験薬の場合、腎機能の低下した患者さまやお年寄りでは薬の排泄が遅れ、血中濃度が高すぎることになって、副作用につながりかねません。このような特殊な条件の患者さまにとってどの用量が適切なのかを検討することも含まれます。

 既存の薬と比較するためには、実薬対照二重盲検比較という方法を用います。この結果、たとえば、すでに存在する薬に比べ有効性でまさる、あるいは有効性では同等だが安全性でまさる、有効性も安全性も同等だが服用回数が1回で済み、患者さまに便利である、というような結論が得られます。

 しかし、治験をやっても既存薬との間になんら有利な点を見出せないことがあります。さらに、既存薬のほうが有利であるという結果が出ることもあります。このような場合、承認申請しても承認されないことが多いと言えます。薬として承認されるには、既存薬に比べて何らかの有利な点があって、患者さまにとってどのような良いことがあるのかを示し、その薬の医学的な位置づけをはっきり示す必要があります。