- 2019.04.15
治験(ちけん)って、なあに?
新しい薬を作るためには、薬の候補品を患者さまに使っていただき、どれほど効くのか、どれほど安全なのかを確かめる必要があります。このように人を対象にした試験を臨床試験といい、特に、将来、当局に提出され、製造承認のための申請のデータを集積する臨床試験を治験といいます。そして、この治験で使われる薬の候補品を治験薬といいます。
治験は人を対象にした試験ですから、慎重に、安全に、厳密に行う必要があります。たとえば、次のようなことは、治験を実施する上で必要不可欠です。
- 実験動物の有効性試験の結果、有効な薬になるだろうと期待できること
- 実験動物の安全性試験の結果、人で安全に使えるだろうと期待できること
- すでに実施した治験の結果、有効で安全性の高い薬になるだろうと期待できること
- 治験実施計画書によって、どのように治験を行うか厳格に定めてあること
- 当局へ治験届を提出し、実施が不許可とされていないこと
- 治験を実施する病院の委員会で、安全に実施できて医学的に意義あると承認された治験であること
- 治験に参加してもよいとお考えの患者さまに、説明書によって、治験の実施内容や、治験薬の有効性と安全性の結果が分かりやすく説明してあり、誤解なく治験の内容が伝わること(インフォームド・コンセント)
- 治験で予期しない事故が起きた場合に備え、治験の基準に定められた保険その他の必要な措置を講じてあること
こうしたルールに即して、薬の候補品の効き目や安全の具合を評価します。治験について、厚生労働省の「治験」ホームページ[1] や、日本製薬工業会(製薬協)のホームページの「治験について」[2] には詳しく説明されています。
[1] 「治験」ホームページ「 ちけん治験 」とは http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/1.html
[2] 「治験について」 http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/tiken/