- 2016.07.15
開発段階の話②-フェーズ2って、なあに?
第二相(フェーズ・ツー)は、第一相試験の結果を踏まえて、薬の候補品(治験薬)が健康な人ではなく、初めて患者さまに使われる段階です。
健康な人から得られた第一相(フェーズ・ワン)の血中動態データをもとに、薬の量(用量)と使う頻度(1日何回か)を決めます。その他、動物データを含む多くのデータから薬を使う期間を決め、初めて患者さまを対象に、治験薬の有効性と安全性を評価することが目的です。特に、所定の用量の有効性と副作用のバランス-どのくらいの量を使えば、有効性が出て副作用が出にくいか-の見当をつけるよう試みます。
そこで、通常、薬の用量を何種類か設定し、用量ごとに有効性を予備的に比べることがあります。
患者さまを対象に有効性と安全性を予備的に評価するこの段階をフェーズ・ツー・エイ(Phase 2a、初期第二相)と細分することがあり、ちょうどいい、おおよその用量の見当をつけます。
次に、この候補(治験薬)の最も適切な用量を厳密に調べるために、プラセボ(偽薬)と複数の用量(たとえば、低用量、中用量、高用量の三つの用量)の有効性を比較する試験を行ないます(Phase 2b、後期第二相)。
通常、薬は少ない用量では十分な有効性が発揮されず(効き目が不十分)、用量を増やすにつれて有効性が高まります。しかし、用量を増やせばいくらでも有効性が高まるというものではなく、ある用量以上では有効性が高まらなくなります。
また、用量を増やせば、副作用のリスクが高まることもあって、最も有効性を発揮しやすく最も安全に使える用量を、厳格に評価する必要があります。
この段階では、プラセボ(偽薬)より有効性が高いことを証明し、最適な用量(至適用量)を探し出すことが目的です。